0970 吉川英治(原稿版)

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吉川英治 について

昭和元年(1926)、「鳴門秘帖」で文壇にデビューした、横浜市出身の吉川英治(1892~1962)は、その後「三国志」「宮本武蔵」などの大作を相次いで発表、国民作家としての地位を不動のものにする。そして第二次世界大戦後の昭和25年(1950)から、「新・平家物語」を「週刊朝日」に7年間にわたって連載、流麗で詩情あふれる筆致で驕れる平家と、それに立ち向かう源氏との栄枯盛衰の相を、諸行無常の時の流れの中で、登場人物の心理の陰影を絡めながら、見事に描き出している、とりわけ最終部分である「吉野雛の巻」では、平家討伐のために椎葉入りした那須大八郎が「落人ならばこそだが、人と人との血みどろも見ないでいいこの天地は下界でも心ある者が探している幸福そのものの境ではないか」とあえて追い討たず、亡びなき人々を暖かく見守っている下りが印象的で、ものの哀れを感じさせる。

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