神楽の衣装

-

-

  • 民俗資料

神楽の衣装 について

椎葉神楽の服装は、神に祈る心の表現として清浄であり、祝子(舞手)たちの舞の美しさに大きく寄与している。清楚な白の浄衣には彩りを添えるものとして赤・白・緑・青・紫色などの幣があるが、これを舞笠・背負紙・すみとり紙などに用いる。また、木綿布による赤・青・白などの鉢巻・襷・赤の腰帯がつけられる。これらの色相には青・赤・白など五行思想も多少は考えられようが、ここでは、切り紙の技法によるさまざまな造形と色彩美をみること、そして鉢巻と共につける宝冠(剣)には、その名称からも呪力の表現と考えることとしたい。つぎに、椎葉神楽には各地域による多少の特性がみられる。まず、神楽の支度(着装)では、礼装の紋付着物に袴をつけ、これに白の浄衣(舞衣・白張)を羽織るのが主体であり、神官・太夫・中司・舞子などの役職を問わず着装する。不土野・古枝尾では麻の舞衣を着用する。出雲系の椎葉神楽は湯縦神楽の三河の花祭と共に静かな舞から活発な舞振りへ、切り紙と衣装の意匠・信仰と芸術性がみられる。

文化財一覧に戻る