0820 大宝の注連

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  • 民俗資料

大宝の注連 について

大宝の注連は願成就のある場合にのみ立てられる。願成就とは、例えば病気平癒の願をかけ、その願が叶ったときに、お礼として立てられるものである。大宝の注連が立てられたときは、「注連の大祭」と称して、鬼人や荒神などの面舞が戸外に出て、注連の周囲で舞うことになる。形から言えば、神霊を迎える神籬としてよい。竹之枝尾では月の数の大宝の注連から延びる紅白の布を鬼人が引っ張る「注連引鬼人」が演じられる。尾手納では、鬼人が大宝の注連の周囲で舞い、四方で拝む姿が見られる。大宝の注連は今ではほとんど立てる習慣もなくなったので、栂尾と大河内では4年に1度、竹之枝尾と十根川では毎年、保存継承の意味で立てている。尾手納の大宝の注連は平成6年に映像資料制作用に復元したものである。これは昭和56年に願成就で立てられた向山日添のものと同じ形である。

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