0130 各地区の神の的

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  • 信仰習俗

各地区の神の的 について

尾前・向山日添・向山日当・尾手納の神の的:4月初めの土日に行われる。ゼンマイの芽のような形の小さな神の的を一つ作る。大勢の射手が矢を放つが、的が極小なため、なかなか当たらない。幸運にも神の的を射貫いた者が、これを持ち帰ることができる。
不土野の神の的:旧暦3月3日。竹の支柱に大的を一つ取り付ける。小的は月の数分(例年12枚、閏年13枚)作られ、茅の矢を1年の日数分作る。まず、竹の小弓で神の的の四隅の外側を射て、最後に的の中心部を射貫く。さらに、大的の前に小的をかざして、桃の小枝で作られた弓を用いて、茅の矢を次々と放ち、全ての矢を射ていく。病気平癒のガンジョウゼ(願成就)で「千矢の立願」という作法があり、このときは千本の茅の矢を放った。
栂尾の的射:1月15日。中山・尾崎・栂尾の3地区が毎年交代で行う。神の的は各家が正月の注連飾りのトビ紙を用い、家族の人数分の的を作って一所に集め、これに矢を放ち、悪魔祓とする。的のことを「鬼の眼(まなこ)」と呼んでいる。
小崎の神の的:旧暦2月15日。現在は春分の日。小崎神社の境内に神の的を作り、御幣を立てる。二人が舞衣を着し、矢を放つ。この後、各自が持参した小的を竹竿に代わる代わる吊るして、茅の矢で射貫く。神の的、小的ともに、裏側には紐で星印(五芒星)に結んでいる。
大薮・大桑の木の神の的:旧暦2月1日。現在は中絶。モロメギ(いぬがや)の枝を2本立て、大的を1個掛ける。各自作った小的を各々の枝に引っかける。大的を射るのは桃の弓と竹の矢。小的を射るのは竹の弓と茅の弓を放つ。的の中心部の黒丸のことを鬼の目を称している。

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